昨今のFIREブームで
「サラリーマンは会社に搾取されている…早く辞めて独立したい!」
と思っている人はかなり増えたのではないでしょうか?
実際、「年収800万を超えた後は幸福度がほとんど上がらない」という研究結果があるほど、
今の日本ではサラリーマンとして出世していくことは
「責任」と「報酬」のバランスが悪くなっていく一方で
決して魅力的であるとは言えません。
一方で、サラリーマンが全く恵まれていないかと言えばそうではありません。
自営業やフリーランスの人たちが絶対に享受できないものがあります。
それは「各企業による福利厚生」です。
実際、会社から提供される福利厚生の中には
社員の資産形成の助けになるものが多くあります。
今日は会社員の資産形成の助けになる福利厚生の一つとして挙げた
社内持株会への加入がおすすめできる会社の特徴を紹介したいと思います!
- 社員持株会への加入を考えている
- 社員持株会で資産形成を行いたい
- 会社の福利厚生は徹底的に利用したい
ではさっそく5つの特徴から見ていきたいと思います。
社員持株会がオススメできる企業の特徴5選
社員持株会はこちらの記事(持株会のメリット・デメリットとお得な運用方法を紹介)
で紹介した通り、様々なメリットとデメリットがあります。
それらのメリットとデメリットを理解した上で、
社員持株会に加入するのに向いている会社の特徴を5つ紹介したいと思います!
- 業界のトップ企業である
- 国策などのテーマ銘柄である
- 奨励金が10%以上ある
- 会社から配当金が出る
- 社員持株会の加入者が多い
特徴①:業界のトップ企業である
初めに紹介する特徴は「業界のトップ企業である」と言うことです。
日本の大企業は良くも悪くも昔からほとんど変化していません。
その結果、ほとんどの業界でトップの企業は安定した収益を上げ、
大きな株価の上昇こそないものの、比較的安定した株価を保っています。
もちろんこのような株であってもある程度の値動きはあり、
これにはちゃんとした理由があります。それは
業界のトップ企業(≒大型株)は株式の流動性が高い
という事です。
株式の流動性とは?
流動性とは株式市場に出回る発行株数の多さを表します。
発行株数が多く出回ることは「株式の流動性が高い」と表現され、
売り買いが数多く行われているといえます。
流動性の高い株式の特徴は「売買がしやすい株式」だと言えます。
流動性の高い株式であっても、もちろん値動きはあります。
が、特殊な状況が起こらない限り値動きは一般的に大きくない傾向にあります。
例えば通信業界ではNTT・KDDIなどは、業界最大手としてゆるぎない地位を保ち続けており、
株価に関しても比較的安定した水準を維持しています。
このように業界のトップ企業(≒大型株の会社)に所属している人は持株会への加入がおすすめすることができます。
特徴②:国策などのテーマ銘柄である
次にオススメできる特徴は「国策などのテーマ銘柄である」ということです。
例えば、次のようなものに当てはまる会社は国策に沿ったテーマ企業だと言えます。
投資の世界では「国策に売り無し」という言葉があるように、
国策として発表されているものには何らかの形で補助金など多額の資金が流入します。
また、銘柄としての市場の注目も集まることで株価の上昇も期待することが出来ます。
先ほど紹介した大型株でありながらも国策やテーマ銘柄に該当する企業の株は安心して投資できる対象だといえます。
国策銘柄の注意点
国策に当てはまることと紹介しましたが、2つの大事な注意点があります。
- 短期的な株価の上昇による市場の過熱感
- 政権交代による国策の変更
国策銘柄の注意点①:短期的な株価上昇による市場の過熱感
特徴①で紹介した通り、業界のトップ企業の場合にはあまり起こらない値動きですが、
小型株と呼ばれる銘柄の場合、
国策などテーマが合致する企業の場合は実績を伴わずに思惑のみで短期的に株価が急上昇することがあります。
個人の証券口座での売買であればとてもうれしい状況ですが、
持株会はデメリットでも紹介したように
- 売却する時期が限定されていること
- 売却の手続きに時間がかかる
という2点が短期的な株価上昇に対しては対応することはほぼ不可能であると言えます。
そのため、売場手続きに入った際に株価が暴落しているという状況もあり得ます。
再度、株価が右肩上がりで成長する可能性を見込める場合は
「そのままホールド」するのもいいですが、
なかなかそのようにうまくいくことはありません。
国策に合致している場合でも持株会での購入に際しては注意が必要です。
持株会では月々の拠出により資産形成を行うことが基本戦略です。
中長期目線での運用であることを忘れないようしましょう!
国策銘柄の注意点②:政権交代による国策の変更
また、政権交代による国策の変更などで大幅に株価が変動することがあります。
政権与党に変更がなければ極度な路線変更はあまり起こりませんが、
過去に自民党から民主党に政権交代した際には多くの企業が株価を下げました。
このように国策に合う銘柄であっても、政権交代の可能性がある場合は
可能な範囲であらかじめ特定口座に移管しておくなど対応策が必要です。
「持株会から特定口座へ引き出した株式を別の証券口座へ移管する方法」は
こちらの記事で紹介しています。
基本的には持株会からの移管手数料は「無料」です。
移管可能株数になるたびに移管しておく!ということも、
リスクヘッジの観点では1つの対応策だといえます。
国策だから、大型株だから、と安心せず常に対策は万全にしておきましょう!
特徴③:奨励金が10%前後ある
持株会のメリットとして最も注目されるのは「奨励金」です。
奨励金とは持株会の加入者の拠出額に対して、会社が追加で拠出してくれる制度です。
奨励金は5%~10%ほど拠出されるのが一般的な水準です。
特に10%以上の奨励金がある企業では、年単位の中期的な運用であれば運用益が含み損になる可能性はかなり低くなります。
一つの基準として、そのような企業では「持株会」への入会のハードルはクリアしていると言えるでしょう。
ただし、奨励金の注意点は投資の世界で言われる「複利」ではなく「単利」である点に注意が必要です。
奨励金は月々の拠出額にのみ追加拠出されるものなので、
投資により元本が成長しても奨励金が増えることはありません。
つまり、
- 株価が長期的に右肩上がりで成長する
- 配当金が再投資される
ということが無ければ、投資による最大の旨味である「複利の力」の恩恵を受けることはできません。
持株会の奨励金が複利ではないということはこちらの記事で紹介しています。
持株会の奨励金は複利ではない!配当金再投資で複利になる?
奨励金の特性を理解して、会社の持株会へ加入するべきかどうかの判断材料にしてみてください。
特徴④:会社から配当金が出る
4つ目に紹介する特徴は「会社から配当金が出る」ということです。
先ほど業界のトップ企業は比較的安定した株価を維持しているという事を紹介しました。
これらトップ企業は「歴史ある企業」いわば「おじいちゃん企業」でもあると言えます。
「おじいちゃん企業」の特徴の一つとして「経営が安定している企業」が多く、
利益を自社の成長にも一定水準で投資しますが、
安定した配当金の水準を維持しているということも一つの特徴としてあります。
配当金が出る企業の持株会では、
加入者の持株会での所有株数に応じて支払われる配当金が自動的に再投資されることがほとんどです。
配当金が再投資されることには次のメリットがあります。
- 奨励金だけでは得られない複利の力が働く
先ほど紹介した通り奨励金だけでは投資の旨味である「複利の力」の恩恵を受けることはできません。
が、配当金が再投資されることで「複利」での運用が可能になります。
所属している企業が安定した配当金を出しているかは加入への重要な判断材料になると言えます。
配当金が出ることに、次の2つの条件が加わることでより資産形成が効率よく進捗する可能性があります。
具体的にはどういうことかを説明していきたいと思います。
特徴④-①:連続増配または累進配当政策を掲げている企業
配当金を出す企業の中でも、長期目線で投資する場合に最も魅力的な方針が
です。
これらは文字通り、企業が出す配当金を「維持もしくは増配しますよ!」と言う政策です。
この政策を掲げている企業に所属している場合、
長期投資をすることで仮に株価の変動が無かった場合でも、初期の頃に投資していた株式に対する利回りは上昇します。
その結果、これまで説明してきた複利の力がさらに発揮されると言うことになります。
また、このような連続増配や累進配当を掲げている企業の株は「持株株でなくても持っておきたい株式」であると言えます。
ですが、これらの株を一度に購入するには「大金が必要になること」や「個別株投資に対するリスク許容度」など、自分の投資方針に合わないという方も居るかと思います。
そんな方にオススメできるのが「ひとかぶ投資」や「少額投資」が出来る証券会社です!
特に筆者も利用していて安心してオススメできる
「SBIネオモバイル証券」と「LINE証券」は売買にかかる手数料も格安に設定されており、いずれも少額投資に最適な証券口座であると言えます。
どちらも口座開設は無料で出来るため、大暴落が来て「株を買いたい!」というタイミングで買えなかったと言うことが無いように事前に準備しておくことをお勧めします。
持株会だけでは一蓮托生になってしまうと考える人は連続増配企業を集めた自分だけのポートフォリオを作成すると良いでしょう。
特徴④-②:同族企業の場合
配当金を出している会社の経営陣に創業家一族が多く含まれている場合は
比較的安心して配当金は支給される傾向にあります。
理由はシンプルで「創業家一族が大株主」である場合がほとんどで、
ほとんどの企業で創業家一族は無下にできない重要な存在だからです。
「株主への還元=創業家への還元」と言うことだね。笑
このような場合は逆にわかりやすい、とても良い判断基準だいうえことを頭の片隅に入れておいてください。
特徴⑤:社員持株会の加入者が多い
最後に紹介する特徴は「社員持株会への加入者が多い」と言うことです。
社員持株会は従業員にとってのメリットだけでなく、
企業側にとっても「安定した株主の確保」と言う観点でとても大きなメリットがあります。
奨励金で釣ってくるのはそれが理由ね。
言い方が悪いけど間違いではないね。笑
社員持株会では一般的に加入者から拠出された拠出金で月末に買付を行います。
この時に社員持株会の加入者数が多い企業では
毎月安定した買い注文が入ることになり、株価の安定や上昇へつながります。
大型株などの大企業に所属している人は社員が積極的に持株会に加入することで、
結果的に自社株の存在感を安定・強めることが出来るといえます。
個人の力では難しいですが、
周囲がこのあたりの考えを理解して持株会へ加入している場合は良い傾向にあると言えます。
社員持株会の加入に向いていない企業の特徴
これまで「オススメできる企業の特徴」を紹介してきました。
ですが、もちろんそれらに当てはまらない企業以外にも
「おすすめできない企業の特徴」もあるので、ここで紹介しておきます。
次の2つに当てはまる場合は絶対に社員持株会に加入してはいけない企業であると言えます。
- 所属企業の所属する業界が斜陽産業である
- 企業規模が小さい
特徴①:所属企業の所属する業界が斜陽産業である
言わずもがな「斜陽産業」である場合、
何か革新的なことが起こらない限り長期的に株価は右肩下がりであるということが言えます。
長期投資が基本戦略である「持株会での運用」とは相反するものになります。
少し厳しい言い方にはなりますが、
斜陽産業である場合は持株会による資産形成を検討する前に別業界への転職をおすすめします。
今の日本における斜陽残業とはどういう業界か?と言うことを確認したい人はこちらの記事で紹介しているので参考にしてみてください。
日本国内で斜陽産業と言われる「10の業界」(※現在作成中!)
特徴②:企業規模が小さい
「企業規模が小さい=株式発行数が少ない・時価総額が低い」である場合がほとんどです。
- 今後の成長可能性が極めて高い
- 持株会から株式を移管・売却する際の手続きが簡単に行える
企業である場合を除いて、さきほど「 特徴①:業界のトップ企業である 」でも紹介したように、
株式の流動性が低いということは機関投資家などによって、
時に玩具のようにされてしまうこともあります。
大きなリターンを得るための投資として小型成長株への投資を行いたいと考えている人は
持株会では無く個人的な証券口座で銘柄を選定し、取引を行うようにしましょう!
まとめ:所属する企業次第では安定した資産形成の助けになる
今日はサラリーマンが享受出来る福利厚生の一つとして
「社員持株会への加入がオススメできる企業の特徴5選」を紹介してきました。
株式投資をしている人の間では
「社員持株会」は奨励金に目がくらんで入ってはいけない!
という意見が大半を占めています。
それらの意見は決して間違いではありませんが、
実際には企業による特徴を踏まえておらず、一括りに否定できるものではないと考えます。
今日紹介した「オススメできる特徴5選」すべてに該当する人は
積極的に持株会へ加入して運用を行うことで、他の個別株などに手を出すよりも
安心して資産形成に取り組むことが出来るはずです。
また改めて自分の所属する会社について考えることで、
将来的にどのような人生設計をしていくべきか?と言うことも考えるきっかけになります。
この記事が資産形成や人生設計の何かのきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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