会社に入社すると、入社間もない頃に新入社員研修などで入会を勧められる「2つの制度」があります。それが次の2つです。
- 従業員持株会(または社員持株会)
- 企業型確定拠出年金(または企業型DC年金)
でも実際に説明を受けたほとんどの人は「持株会?企業型DC年金?なにそれ美味しいの?」となってしまってませんか?
僕も金融知識ゼロで入社しているので、当然に様に投資で将来の資産運用って…なんか危険!!そんなことる程度の大手企業なら考えなくていいんじゃないの?
という感じで、どちらも見事に右から左に受け流していました。。。
そんな中、結婚と子の誕生を機に資産形成を考えるようになり今までの自分の行動を悔い改めることになるわけですが、最初に始めたのが「持株会と企業型DC年金」の2つです!
今日は「持株会」について、
- そもそも持株会とは?
- 持株会を運用して分かったメリット・デメリット
- 持株会の運用方法とお得な利用方法
をわかりやすく紹介したと思います!
持株会に興味があるけど、迷っている人にとっては、現状「僕が利用している他の投資に一切引けを取らない成績」を残すことが出来ているので、持株会検討している人がいれば是非参考にしてもらいたいと思います!
- 給与天引きで時間をかけずに投資したい
- 持株会について詳しく知りたい
- 持株会を効率よく利用したい
持株会とは?
持株会とは、持株制度により自社の株式を取得する組織のことで、次のような種類があります。
- 自社の株を従業員が取得できる従業員持株会
- 非上場会社の従業員が親会社などの上場会社の株式を取得できる拡大従業員持株会
- 会社の役員が当該会社の株式を取得できる役員持株会
- 会社の取引先が当該会社の株式を取得できる取引先持株会
今回は一般的なサラリーマンの資産形成に役立つ「従業員持株会」について解説したいと思います!
持株会の仕組み
持株会の仕組みは、給与や賞与から各自が設定した金額を毎月同じタイミングで加入者全員分を自動的に買付してくれる制度です。会社の規定に従い、口座開設後は入金額の変更や株の引出しを行わない限り、基本放置で運用することが可能です!
投資を始めるときハードルになる売買を、自動的に行ってくれるから楽で良いですね♪
また皆さんが持株会に入る大きな理由の一つとして、(会社の規定にもよりますが)買付額の5%〜10%の金額を奨励金として会社負担で毎月上乗せ購入してくれる奨励金制度というものがあります!(※これがあるのか無いのかで持株会に入る必要性が決まります。)
持株会のメリット
持株会に加入することで、加入者には次のようなメリットがあります。
- 会社負担で奨励金分が上乗せ購入される
- 手間暇がほとんど掛からない
- 配当金や値上がり益を得ることが出来る
- 少額購入から株式の購入が出来る
持株会のメリット①:会社負担で奨励金分が上乗せ購入される
前述した通り、多くの持株会を採用している企業で加入者が設定して購入代金に対して5%~10%を奨励金として会社負担で上乗せ購入してくれる奨励金制度があります。
例えば加入者が株価1,000円自社株を10,000円分購入設定した場合、普通であれば10株分しか購入できませんが、持株会を通して購入することで11株分購入することが出来ます!
株式投資の世界で10%の利益を出すのは容易ではありません。
が、持株会を通して購入することでリスク無しで毎月10%ずつの利益を出すことが出来るので、比較的安心して投資初心者が取り組むことが出来る制度となっています。
持株会すごいお得だね!もっといいこと思いついた!
なんか怪しいけど一応聞いてあげるよ。。。笑
毎月の給料を全部突っ込んで、すぐに売れば料が10%増えるじゃん!無リスクで年収1割アップ!
良い考えだけど、ほとんどの持株会でちょっと難しいかな。。。あとで紹介する持株会のデメリットで詳しく説明するよ!
ちなみに、投資を始めるとよく聞く「複利のパワー!」に持株会の奨励金は該当しないので注意が必要です!持株会の奨励金は毎月の購入額に対して10%なので、いくら資産が膨れ上がっても上乗せ額は一定です。
持株会での奨励金は、元本に対して加算されるものではなく毎月の購入代金に対して上乗せされるものなので、複利ではない!
(※一方、持株会で購入した自社株が配当金を出している場合、ほとんどの場合は配当金は現金では支給されず持株会での購入に充てられます。この場合は資産増加に伴い配当金による購入できる株数が増えるので複利的な側面があると言えます。)
持株会の奨励金と配当金の効率的な投資方法についてはこちらの記事で紹介しています!
持株会の奨励金は複利ではない!配当金再投資で複利になる?
持株会のメリット②:手間暇がほとんど掛からない
持株会のメリットとして、「手間暇がほとんど掛からない」という事もあげられます。
一般的に個別株を購入する場合は証券口座を開設し、銘柄の選定や資金管理など自分自身で管理するものが気軽に投資を始めたいと思っている人にとって大きなハードルになることが多いと思います。
持株会に加入すると、毎月自動的に給与や賞与から一定額が差し引かれ、自社株の購入に回ります。
また配当金を出している企業では持株会で配当金が再投資され株式購入に充てられることも多いため、余計な手間暇をかけずに資産形成を行うことが可能となり、自己管理が苦手な方や面倒な手続きを省きたい方にとっては、とても大きなメリットであると言えます。
持株会のメリット③:配当金や値上がり益を得ることが出来る
持株会のメリットとして、次に考えられるのが「配当金や値上がり益を得ることが出来る」という事です。
先ほど紹介した奨励金が上乗せされて株式が購入されるため、大きな暴落が起こらない限り(税引き前で)基本的には10%前後の利益を得ることが出来ます。(※奨励金は10%の場合)
皆さんが所属する会社の株価が中短期目線で右肩上がりで無い場合においても、奨励金による上乗せによりわずかでも値あがり益を得れる可能性が高くなります!
銀行に置いて置くくらいなら持株会で買付に充てても良さそうね。
1から調べて株価が上昇していく企業を見つけることは難しいけど、自分の会社であれば少なくとも業界全体の未来や会社の将来性などについては他の会社よりも詳しいはずだしね!
自分が所属する会社・業界の未来にある程度の安心感があるのであれば投資を始めるきっかけとして持株会は1つの選択肢になりえると考えます。
また、先ほど説明した通り持株会では配当金は現金では支払われず、当月の株式購入代金に充てられることがほとんどです。「自社株も長期目線でホールドするので、いつか売却できればいい!」と思っている人には関係ありませんが、配当金を出している企業に所属していて、私生活のキャッシュフローを改善したいと思っている人はひと手間かけることで配当金を受け取ることも可能です。
持株会で配当金を手持ちの口座で受け取る方法についてはこちらからどうぞ。
キャッシュフローを改善するために持株会での配当金を銀行口座で受け取る方法
持株会のメリット④:少額から株式が購入できる
最近では日本株の場合でも単元未満株・端株と呼ばれる100株未満でも企業の投資できるサービスが増えてきました。
【少額投資から始めるFUCK YOU MONEY】証券会社を徹底比較!
それらの少額投資サービスと同じように持株会では毎月の給与や賞与から自分で設定した金額に応じて自社株を購入することが可能です!
毎月の給料から少しずつ投資を始めたいけど、、、一度に大きな金額を投資するのは不安だし、、、一から投資先の企業を調べて開設した口座で取引するのも難しそうだな・・・
と思っている人には一度、設定してしまえばあとは放置でOKなので、とても楽な運用方法だと言えます。ちなみに・・・
フィデリティの調査によると2003年~2013年で最も運用成績が良かった人の属性は…
- 亡くなっている人
- 運用しているのを忘れている人
という調査結果も出ているほどです!笑
(※実は、この話は冗談ですが投資をしている人たちの中では「確かに!笑」と思えるほど、あながち間違っていないネタです。)
給与からの天引きなので最初からなかったものとして自然と資産形成が行えるのが良い!
持株会のデメリット
奨励金の上乗せなど色々なメリットがありましたが、持株会にはデメリットもあります。
- 給与と資産が会社に依存する
- 株主優待はもらえない
- 株主総会に出席できない
- 売却時に手間がかかる
それぞれのデメリットについても見ていきましょう!
持株会のデメリット①:給与と資産が会社に依存する
サラリーマンが資産形成を行わない場合、会社からの給料のみで生活していかなければなりません。会社の業績が落ち込むと当然のように自分の給与・ボーナスも減ってしまいます。
そのため、会社の業績に左右されることなく安心して生活を送ることが出来るように「運用を始めよう!」と考える方も多いのではないでしょうか?
自ら選んだ銘柄に投資する場合セクターバランスなどを考慮し、自分自身の所属する会社とは違う業種を投資先に選ぶことで、万が一会社の業績が落ち込んでも投資先を分散することで資産が減少するリスクを軽減することが可能になります。
一方で、持株会での運用をメインの投資先とすると自分の給料と資産運用先が同じになり、会社もしくは業種全体の落ち込み時には給与や資産すべてが減少してしまう可能性があり、大きく会社へ依存することとなります。
投資の原則として「卵を一つの籠に盛るな」という言葉があります。
いや、持ち運ぶ時に一つの籠に入れた方が楽だよ!
楽なのは間違いないけど、もし籠を落としてしまったらどうなる?籠に入れた卵がすべてダメになってしまうよね?それがもし資産なら?
絶・望・DEATH!!!!
だよね。笑
だから投資する時の大原則として分散が大事なんだね。
じゃあ、持株会紹介してんじゃねーよ!!!!
でも個人的にはあとで紹介する利用方法なら短・中期での運用になるから、資産の集中はある程度避けられると思っているよ!
持株会への投資でも資産が会社に依存しないように考えた運用方法をのちほど紹介します!
持株会のデメリット②:株主優待はもらえない
次にあげられるデメリットとして、原則「株主優待は貰えない」ということがあります。
株式投資を行う際に投資家の桐谷さんが有名ですが株主優待を目的にしている人もいるのではないでしょうか。
オリックスのカタログギフトなどが有名ですが、その他自社商品の詰め合わせなど、日本では多くの企業が株主優待を実施しています。
しかし、持株会での株式の購入はあくまでも持株会名義で管理されているものになるため、実際に株主優待を得る権利がある株数に達しても株主優待がもらえることはありません。
極稀に持株会加入者に対しても株主優待を実施している企業もあるので、加入する際に詳細については確認するようにしてください!
持株会のデメリット③:株主総会に出席できない
ある企業の株主になるという事は「その企業の経営に関わる・関わることが出来る」という事でもあります。
それらは株主総会へ出席し議決権を行使することで可能になります(※最近ではオンラインで議決権の行使も可能にしている企業も多くなりました。)が、持株会で株式を保有している場合は株主総会には出席できません。
なんで株主の権利が与えられないの!?
何か方法はないの!?
株主総会に出る、もしくは議決権を行使する方法は2つあるよ!
- 持株会から保有株式を引出し、名義が持株会理事長から本人に変更されている場合
- 持株会での保有数に応じて議決権を行使する「議決権の不統一行使」を行う場合
上記①の場合は引出し申請を行った時点で引出した分は持株会を運営する証券口座の特定口座へと移管され、本人名義での保有株式になります。そうすることで株主総会の案内が自宅にも届くようになります。
②の場合、加入者は自らの持分に相当する株式の議決権の行使を理事長に対して指示をすることができます。この「指示」によって会員による議決権の行使が制度的に確保されています。
実際には従業員の立場でありながら株主として意見するより、社員組合へと意見をする方が従業員目線の意見は出しやすいと思うよ!
実際、大企業に所属している人は自分が所属する会社の社長や経営陣と直接会う機会は、ほとんど無いと思います。ましてや経営についての話を生の声として直接聞ける機会などそうはありません。
自分の会社のトップの考えを聞ける株主総会への出席が、持株会に入る一番の意味かもしれないね!
持株会から引出すことで自分の会社のトップの意見が聞ける株主総会に出席できる!
持株会のデメリット④:売却時に手間がかかる
持株会で購入した株は加入者個人の資産になりますが、銀行預金のような感覚で自由に引き出すことはできません。売却時に必要となる手続きはこちらの記事で紹介しています。
持株会のルールは会社毎で異なります。売却時の手間がとてつもなく面倒な会社もあるため、持株会に入会する際に自社の持株会ルールは必ず確認するようにしましょう!
持株会の運用方法とお得な利用法
持株会のメリット・デメリットを踏まえて持株会の効率的でお得な利用法を考えてみました!
弊社の場合、一定額までは拠出金に対して10%を奨励金として会社が負担してくれます。
この10%のお陰で大暴落を受けない限りは最低限プラスに推移する可能性は高いと考え、この恩恵を受ける最大限度額まで拠出します!
ここに配当金(弊社の場合は3~4%)を加味すると約40万円分を1年間で準備することが出来ます。(※株価の変動が大きくなかった場合を想定)
- 月々の給与から:20,000円
- 夏と冬の賞与から:60,000円
拠出額+奨励金:2万×12ヶ月+6万×2回+10%=39.6万円
配当金:39.6万円×3%≒1.2万円
1年間の運用額:39.6万円+1.2万円=40.8万円>40万円
投資をしている人で40万円と聞くと「ピン!」と来る人が多いのではないでしょうか?
40万といれば・・・「つみたてNISA」だよね!
そう!つみたてNISAの1人当たりの年間積立可能額の上限と同じだね!
僕の場合、持株会での運用方針は
- 会社に資産が依存する
- 自由に売買できない
というデメリットを考慮して「長期目線ではなく、短・中期目線での運用」としているので、持株会で運用している分は積極的にインデックス投資へと買い替えていきます。
つみたてNISAで購入する前から上手くいけば10%前後の利益が乗っている状態で長期運用へと切り替えていける方法なので、持株会の運用方法としてかなり効率的な方法だと言えます。
持株会は実際2年半ほど運用して「拠出額+30%」の好パフォーマンスを見せてくれています。
また持株会での取得単価は実際に自分自身の拠出額から考えると売却時の課税のされ方がかなりお得になります。持株会の実際の取得単価についてはこちらの記事を参考ししてください!
持株会から株式を引出し特定口座に移管する
でもどうやって引き出すの?手数料は?
気になるよね?今から簡単に説明するから安心して!
皆さんの会社が持株会の運営をどこの証券会社を委託してるかによりますが、僕の会社の場合は大和証券に委託されています。
持株会で積立てた株は単元(100株単位)で引出すことが可能で、引出した株式は申込月の次の月末に大和証券の特定口座に振り込まれます。
事前に特定口座を開設しておく必要があるので、単元化される前に準備しておくことをオススメします!
このまま大和証券の特定口座で売る事も可能ですが、ここで売るととても高額な手数料がかかるので、別で開設した証券会社へ移管することをおすすめします!
僕の場合は大和証券から楽天証券へ株式を移管したよ!
持株会から別口座に移管・売却する
パパ、移管手数料はかからないの?
大和証券から楽天証券へ移管するのに手数料はかからないよ!
他には野村証券から楽天証券もかからないよ!(キリッ
移管しても手数料がかからないのであれば安心して自分の口座で管理できます。後は、売買可能期間に自分が納得できる金額になれば売ることになります。
自社株はインサイダー取引の観点から、売買タイミングが規制されています。売却時は十分確認した上で売るようにしてください!
まとめ
今回は持株会のメリット・デメリットを踏まえた最もお得で効率的な利用法を紹介しました!
注意点としては、持株会はそれぞれの会社でルールが定められています。引き出しや売却するタイミングで上司のハンコが必要など、かなり面倒な手続き必要となる会社のあります。実際に利用する価値があるかどうか、得られる対価がそれら手間暇に見合うものになるかどうか、必ず確認するようにしてください!
また、今回紹介した短・中期の利用であっても投資先として相応しいかどうかの判断が必要になります。私は現時点では自社の未来は比較的明るいと思っているので、そう思える間は持株会の運用を上手く利用しようと思っています!
というか、株価が下がっていく未来が見えてるなら持株会以前に転職を先に検討した方が良いわね。
その通りだと思います。。。苦笑
サラリーマンの中で最近FIREブームや副業ブームが来ていますが、自分の会社の所属している以上、その土俵で利用できるものは利用するに限ります。
「会社=拒絶」ではなくしっかりとお得な部分は徹底的に利用して自分の糧へとしていきましょう!
最初に紹介した会社員が利用できるお得な制度として企業型DC年金(企業型確定拠出型年金)というものもあります。それらについてはこちらで紹介しているので是非参考にしてください!
企業型DC年金のオススメ投資先と運用実績
企業型DC年金 マッチング拠出の注意点!
最後までお読みいただきありがとうございました♪
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