毎年、春になると訪れる人生の一大イベントともいえる「就活」
就活では面接などで自己PRを行い、いかに企業にとって必要な人材かを伝えることで「内定を勝ち取る」ことが出来ます。
とはいえ、簡単に企業が内定を出してくれるような自己PRが出来る人はほとんどいません。
そして多くの人が「頼みの綱」として辿り着くのが体育会系のアピールです。
体育会系と一括りに言っても、部活動の種類や部活動内での役割など様々です!
今日は2014年~8年間、実際に自分の所属する会社(東証一部上場)の新卒採用に携わりながら、自分自身も体育会系を自己PRとして内定を勝ち取った筆者が「部活内での役割別のアピール方法」を紹介したいと思います!
- 今年就活をする予定がある
- 体育会系を自己PRに使いたい
- 面接官に響く体育会系のアピール方法を知りたい
就活が本格化する前にこの記事を読んで、ライバルに差をつけよう!
体育会系部活動での役割
先ずは体育会系部活動での役割について簡単におさらいしておきます!
体育会系の部活動における代表的な役割がは次の通りです。
一般的には「キャプテン経験者」は就活につながる経験が多くあり、圧倒的に有利だと思われがちです。
ですが、一概にキャプテンが1番良いとは言い切れません。
その理由は簡単で各企業が採用する際、人材に偏りが生じないようする必要があるからです!
キャプテン経験者ばかりを採用した場合、全員がリーダーシップを発揮するように動きます。
結果として、まとまりのないチームが完成してしまうことになりかねません。
ではそれぞれの役割に企業はどのようなことを求めているかを見ていきましょう!
採用の際に企業側が意識するポイント
企業側は新卒採用における「2つのコスト」を意識します。
1つ目は「生涯年収」です。
会社である以上、採用した人材が将来的に利益を生む人材でなければなりません。
日本の平均生涯年収は次の通りです。(出典1)
- 男性の場合:約2.92億円
- 女性の場合:約2.44億円
つまり社員として1人採用するごとに、会社は約3億円弱のコストを支払う必要があると言うことです。
一時的にかかるものではありませんが、未だに終身雇用・年功序列の社会である日本の場合は
「長期間かつ基本右肩上がり」で増えていきます。
また、給与面は人材確保と言う観点で簡単には減らすことが難しいコストだと言えます。
新卒採用の場合、入社後数カ月~数年単位で即戦力として期待することはできません。
将来的な成長を見越して採用します。
そのため見習い期間に転職してしまうような人材では、いくら魅力的であっても会社としては給与を払い続けただけと言うことになります。
その点から求められる人材は
になります。
体育会系に限った話ではありませんが、
これまでに何かを継続してきた人材は継続することの大事さを理解していることが多いため、最初のハードルはクリアすることが可能です。
体育会系自己PRの一つとして「継続する力」があるのがよく分かるね!
2つ目は「採用コスト」です。
先ほどは採用後の話とは違い、ここでは採用時にかかるコストについてです。
採用コストは主に次の2つの合計を採用人数で割ることで算出されます。(出典2)
- 外部コスト:求人広告、パンフレットや人材紹介会社へ支払いなど
- 内部コスト:採用担当者の人件費、就活生の交通費・宿泊費など
採用コスト平均は採用人数1人当たり72.7万円となっています。
平均生涯賃金と比較すると少額になっていますが、毎年確実にかかる経費であるため、極力抑えたいと考えるのが普通です。
その時に企業目線で求めていることではなく、自分目線で面接に臨む就職希望者が居た場合、面接にかかる時間、準備などにかかる人件費などが完全に無駄になります。
結果として、就活の早い段階で落とされていくということになります。
就活をするときは「いかに企業目線で自己PRができるか」と「最終的には2つのコストも十分ペイできる人材であること」をアピールする必要があります。
そのためにも、まずは企業が求めていることを理解して戦略的に就活を進めるようにしましょう!
部活動で経験した役割に企業が求めること
部活動で経験した役割に企業が求めていることは何でしょうか?
それぞれの役割について求めていることを紹介していきたいと思います。
キャプテン経験者に求めること
まず最初は「キャプテン経験者に求めこと」についてです。
企業目線では次のようなものになります。
- リーダーシップがある
- スポーツに関して技術、体力、精神的に充実している
- 人前で話す能力に長けている
- 人をまとめる能力に長けている
「キャプテン経験者=有能な人材」という印象があることがうかがえます。
実際企業が体育会系の部活でキャプテン経験者を採用する場合、
上記4つの点で他の就活生より秀でているかどうか?という観点で採用活動は進められます。
これらの能力を入社前からある程度兼ね備えている人材の場合、
企業にとっては仕事内容を理解していくだけで、即戦力として活躍することが期待できるため、
やはり一般的なイメージ通り「キャプテン経験者は有利」であると言えます。
詳しくは後ほど紹介しますが、「キャプテン経験者にもアピールする際の注意点」があります。
注意点を理解して効果駅なアピールへと繋げましょう!
副キャプテン経験者に求めること
2つ目に紹介するのは「副キャプテン経験者に求めること」についてです。
- プレー面で技術レベルが高い
- キャプテンの代役が出来る
- キャプテンとその他部員の仲介役
スポーツ選手としてみた時、副キャプテン経験者は技術レベルではキャプテンに引けを取らない、もしくはそれ以上の存在であることがほとんどです。
では、なぜキャプテンではなく副キャプテンなのかと言う点について、
良い理由と悪い理由で2つの理由があります。
- 仲介役として間を取り持つ能力に長けている
- チームをまとめるうえで必要となるリーダーシップが劣っている
この2つの点で考えた時、企業が求めていることは間違いなく前者の「仲介役として間を取り持つことが出来る能力に長けている」と言うことです。
就活において体育会系自己PRを行う場合、副キャプテンという役割を聞いた企業側は「中途半端なリーダーシップ」だと捉えられがちです。
役割の特性を理解して、キャプテン経験者にも負けない自己PRに繋げましょう!
主務経験者に求めること
3つ目に紹介するのは「主務経験者に求めること」についてです。
- 試合や合同練習などのスケジュール調整
- 新しいコネクションの構築
- プレーヤーと事務作業の相反する内容の両立
「主務」という役割は一見すると体育会系自己PRには繋がりにくいと考えがちですが、
実は会社という組織においては様々な場面で活躍できる能力を備えている可能性があります。
この自己PRは普通に部活だけに専念するプレーヤーでは経験することが出来ない、部の運営に必要不可欠な存在だからです。
会社においても自分の立場に関わらず
- スケジュール管理や
- これから起こることを先読みしながら行動する
という能力は必須になります。
他にも、例えば営業部を志望する人は「新しいコネクションの構築が得意」であることは、部署の求める人材で適材だといえます。
勝手な自己評価では無く、自分の経験を基に話しているのでかなり説得力が増します!
「体育会系=体力・精神力がありますアピール」が必要だと思い込み、
それらには繋がらないという決めつけから自分の経歴として多くは語らないことが多くなる傾向にあります。
ですが、会社が求める人材をイメージして
これらの役割を自分の経験値として深堀りしてアピールポイントへと繋げることで、他の就活生にはない説得力があるアピールになります。
マネージャー経験者に求めること
4つ目に紹介するのは「マネージャー経験者に求めること」についてです。
- 献身的なサポートが出来る
- 試合・練習をスムーズに進行するための事前の準備・行動
その他部員経験者に求めること
最後に紹介するのは「その他部員経験者に求めること」についてです。
いわゆる「役職の無い一般部員」に対して企業が求めることはある意味でシンプルになります。
- 他の活動との組み合わせから得たもの
そもそも一般部員としての自己PRは役職ありの人と比べると実際に率先して部活に臨んでいたとしても、印象が弱くなりがちです。
部活経験者のわかりやすい自己PRは継続力になりますが、これだけでは差がつきません。
そのため、一般部員の特徴を把握して肉付けする必要があります。
考えられる特徴としては、一般部員ゆえ部活動に捧げる時間は基本的には練習時間が中心になります。
役職ありの部員と比較すると自分の時間があるということに優位性があります。
その優位性を利用して「部活動以外の他の活動に精力的に参加」することで、
部活一つで自己PRを行うのではなく、活動に幅のある自己PRにつなげることが可能になります。
一般部員は「体育会系×○○」を意識して自己分析を行ってみましょう!
ここで紹介してきたように「どんな役割であってもかならず活路見出すことは可能」です!
「企業が求めること」を意識して、就活が本格化する前に1度自分の中で自己PRを組み立てておくと良いでしょう。
ここからは実際に自己PRをする際の注意点について紹介して行きたいと思います!
部活での役割をアピールする際の注意点
先ほど紹介した「企業が求めること」を意識して就活に臨むうえで「役割別に注意するポイント」があります。その注意点について役割別に紹介していきます。
キャプテン経験者が自己PRする際の注意点
まずは「キャプテン経験者が自己PRする際の注意点」についてです。
次の2つが主な注意点です。
- 自己PRが自慢話で終わっていないか
- 他の引き出しも準備しておく必要性
キャプテン経験者の注意点①
キャプテン経験者の自己PRは一般的にみると、どれも素晴らしいものが多く、いい評価へとつながる傾向があります。
一方で、一般の人が経験していないことを素晴らしい経歴ゆえ「ただの自慢話に聞こえる」ということも多々あります。
輝かしい経歴も、そのような評価になってしまっては元も子もありません。
「自分の魅力=企業が求めること」というストーリーになっているか、念入りに確認して就活に臨むようにしましょう!
キャプテン経験者の注意点②
2つ目の注意点は「他の引き出しを準備しておくことの必要性」についてです。
当然ですが、キャプテン経験者のほとんどが自分のエピソードとして話す内容は「キャプテンとしてのエピソード」がメインになります。
そのため、他の就活生とのグループディスカッションや集団面接の際に「自分よりも魅力的なキャプテン経験者」が居た場合、ほかに打つ手がなくなり選考に落ちてしまうということにつながります。
第一志望する大手企業ではもちらん就活生のレベルも高く、簡単に選考を通過することは難しくなります。
そんな状況でもしっかりと選考を通過し、内定を勝ち取るためにも、
念入りに「部活動以外の経験」についても話せる「他の引き出しも準備」して臨むようにしましょう!
副キャプテン経験者自己PRする際の注意点
次は「副キャプテン経験者が自己PRする際の注意点」についてです。
次の内容が主な注意点です。
- 中途半端なリーダーシップはアピールにならない
体育会系就活生は「リーダーシップを自己PR」とするのが良い!という思い込みがあります。
そのため、副キャプテン経験者も自身のリーダーシップをメインに自己PRをする傾向にあります。
ですが、さきほど紹介した通り「企業が副キャプテン経験者に求めていること」はキャプテンと同じようなリーダーシップではなく、
「上の立場の人と下の立場の人の仲介役となれること」を求めています。
このように就活で大事なるのは、
「就活で受けがいいから、長けていない能力を必死にアピールする」のではなく、
実際に長けている能力を経験という裏付けを持って伝えることです。
「体育会系就活生はリーダーシップが必要!」という考えはほどほどに、実際自分が経験してきたことを伝えるようにしましょう!
主務経験者が自己PRする際の注意点
次は「主務経験者が自己PRする際の注意点」についてです。
次の内容が主な注意点です。
- 主務経験について多くを語ろうとしない
体育会系の就活といえば「体力・精神力」などの一般的なスポーツマンの印象に近いものが自己PRとして話されることが多くなります。
「スポーツマン」という印象に対して「主務」という役割は対極にあるイメージがするため、就活生は自分の主務経験について多くは語らない傾向があります。
一方で、「企業が求めていること」で紹介した通り、主務経験者ならではの経験が企業にとってはとても必要な能力であると言えます。
例えば、
- 試合や合同練習のスケジュール等の調整
- 他校や企業との新しいコネクションの構築
- 試合や練習の流れをよりスムーズに進めるための事前の行動
など、これらは普通に部活に励むプレーヤーでは経験することが出来ない部の運営に必要不可欠な存在です。
会社においても自分の立場に関わらず
- スケジュールやジョブの管理
- これから起こることを先読みしながら行動する
という能力は必須になります。
これらは実際、出来ていない人が多いのでとてもいいアピールポイントだね!
他にも、例えば営業部を志望する人にとって「新しいコネクションの構築が得意」であることは、部署の求める人材として適材だといえます。
勝手な自己評価では無く、自分の経験を基に話しているのでかなり説得力が増します!
「体育会系=体力・精神力」という思い込みに縛られることなく、
チームで唯一の存在である「主務」という経験から得たものを積極的に自己PRに盛り込むようにしましょう!
マネージャー経験者が自己PRする際の注意点
次は「マネージャー経験者が自己PRする際の注意点」についてです。
次の内容が主な注意点です。
- 献身的なサポートばかりをアピールしてしまう
体育会系のマネージャー経験者は「献身的なサポート」に徹することが出来る素晴らしい人がたくさんいます。
就活でも部員のアピールよりも企業にとっても友好的にとらえられることが多く、十分自己PRとして成立しています。
一方で、献身的がゆえ、「自己主張・自主性がないという印象に結びついてしまう可能性」があります。
企業にとっては会社のために働く人材は必要ですが、常に自分が主体的に判断できる人材であることが前提条件です。
その前提部分も理解したうえで、自己PRにつなげると良いでしょう!
一般部員経験者が自己PRする際の注意点
最後は部活の中で一番人数が多い「一般部員経験者が自己PRする際の注意点」についてです。
次の内容が主な注意点です。
- 体育会系だけをアピールしてしまう
先ほど、「企業が求めていること」でも紹介した通り、一般部員が体育会系だけをアピールしてしまうことは体育会系就活としては効果的ではありません。
一般部員が就活で意識することは「志望企業に自分の印象を与える」ことです。
一般部員の体育会系アピールは相当なエピソードがない限り印象に残ることはありません。
そのため、企業が求めていることでもある「体育会系×○○」という風に、
部活以外での活動を合わせて伝えることでオリジナルのキャラクターを印象付けることが可能になります。
体育会系としては「一つのことに専念する姿勢も大事なアピールポイント」ですが、全ての人が同じではありません。
多様性が求めらる社会において体育会系だけでなく幅広い経験のアピールも効果的な自己PRになるでしょう。
ここで紹介したように体育会系の就活生が陥りやすい失敗についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
これからの就活でできるだけ失敗せずに進めたい!と考えている人は参考にしてみてください。
まとめ:企業が求めることを意識して自己PRする
就活における自己PRで勘違いが多いのが、自分がPR出来るものを面接などで話すと言うことです。
一見、問題ないように見えますがそれらは往々にして自己PRになっておらず、ただの自慢話で終わることがほとんどです。
今日紹介したように体育会系の部活動における役割をアピールポイントに使うのであれば、
「役割別に企業が求めていること」があります。
企業が求めていることに対して自分が持っている能力や経験値がある場合、初めて自己PRとして成立します。
と言うことを間違えないよう、先ずは採用する側の目線で自己分析を行うようにしましょう!
就活で自己分析をする場合、主観的な分析はただの自慢話へと繋がりやすい傾向にあります。
そうならないためには「客観的な意見を取り入れながら自己分析を行うために率直な意見をしてくれる存在が必要」になります。
- 親しい友人や学校の先生
- 家族や親戚
- 就活サポートを行っている会社
などが客観的かつ親身に話を聞いてくれるでしょう。
特に「就活サポートを行っている会社」がオススメです。
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この他にも就活支援を行っている会社についてこちらの記事で詳しく紹介しています!
「記事リンク(※現在、作成中)」
他にも知りか思っている人は参考にしてみてください。
この記事ではすぐに実践可能な部活での役割別に自己分析する方法を紹介しました。
それでも人によっては得意不得意があり、なかなか自分のことを客観的に見ることが出来ないという人もいます。
そんな人でも心配せず、就活サポートをしている会社に相談することで、時間やお金、労力をかけずに情報を得ることが可能になります。
就活に失敗しても人生がそこで終了するわけではありませんが、やはり自分の第一志望の企業に就職するに越したことはありません。
そうするためにも、少しでも早く動き出すことも重要になります!
「後悔後に立たず」ということにならないように、自分の人生を大事に歩んで行きましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
にほんブログ村- 本記事での出典一覧
- 出典1:独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 2020」
出典2:engage採用ガイド「一人当たりの採用コストは?平均相場を徹底解説!」
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